今投資すべきサイバーセキュリティ株3つ

ハッカー問題でセキュリティソフトウェア関連株に注目」に書きました通り、ハッカー対策が急務となっている米国。この動きの中で具体的に利益を受ける企業はどこなのでしょうか。モトリーフールがサイバーセキュリティの推奨株を3つあげていますので、ご紹介します。

パロアルトネットワークス(PANW)

パロアルトネットワークス(PANW)は、様々なサイバーセキュリティサービスを提供しています。ファイアウォール、クラウドセキュリティ、脅威の検知、リモートワーカーの接続など、このソフトウェア企業はすべてを提供することができます。さらに、コロニアル・パイプラインが経験したような大惨事に対処するために、ランサムウェア攻撃に対応する部門も持っています。

投資にあたって気をつけるべきは、株価のバリュエーションが非常に高いことです。現在の株価は、今年の予想利益の約60倍、来年の1株当たりの予想利益の約50倍となっています。

しかし、バリュエーションの高さは同社株にとって目新しいことではありません。2桁台の売上成長が当たり前になっているからであり、今年も来年も変わらないと予想されるからです。アナリストは一様に、2021年のトップライン成長率を23%、2022年を18%と予想しています。

クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)

クラウドストライク(CRWD)は、多くの点でパロアルトネットワークスによく似ています。1つだけ大きな違いがあるのは、クラウドストライクのサイバーセキュリティ・ソフトウェアがクラウドネイティブであるということです。

同社の主力プラットフォームであるFalconと呼ばれるソフトウェアは、サーバーや中央のコンピュータにインストールされるのではなく、クラウドストライク自身と常時接続されたインターフェースを介して管理されており、そのため、このSoftware-as-a-Service型のサイバーセキュリティ対策は常に最新の状態に保たれています。

パロアルトネットワークスと同様にクラウドストライクも安価ではありません。しかし、これまた同様に、それに見合う価値があります。先週発表された同社の会計年度第1四半期の業績は、アナリストが予想していたトップラインとボトムラインを上回りましたが、それだけではなく、同社は通期の売上と収益のガイダンスを上方修正しました。予測範囲の中間値である13億6,000万ドルの売上で、1株当たりの利益は昨年の0.27ドルから0.38ドルになると予想しています。

アナリストたちは、売上高が35%増加した場合、1株当たりの利益が今年の予測から81%増の0.69ドルになると予測しています。

フォーティネット(FTNT)

フォーティネット(FTNT)も他の2つと同様に割高です。それがこの業界の銘柄の常識となっており、フォーティネットは、今年の予想利益の60倍、来年の予想利益の52倍と評価されています。他の2社と同様に、2桁の売上成長は当たり前のことです。

フォーティネットの特徴は、特殊なソリューションを開発していることであり、それは見た目ほどにはニッチではなく、より広い市場で通用するものです。

例えば、SD-WAN(Software-Defined Network)セキュリティソリューションの最新版です。これは、Google CloudのNetwork Connectivity Center(NCC)のユーザーに特化して構築されています。企業顧客が望んでいるようなオープンソースやアラカルトのオプションとは一線を画しているように見えますが、実際には、クラウドベースのネットワーキングは非常に複雑になっており、顧客はより専門的な、プロバイダー固有のプラグインツールを必要としています。

フォーティネットが最近発表したFortiEDRの機能拡張は、フォーティネットが高度に特化したソリューションに進出したことを示すもう一つの例です。先月、この初期の脅威検知・対応ソフトウェアは、自動機械を使用している顧客向けに特別に調整されました。ハッキングが成功しても、FortiEDRは脅威を除去している間、その組織の機械を使用し続けることができるようになりました。

フォーティネットは、今でも比較的オーソドックスなサイバーセキュリティ企業です。このような業界に特化したソリューションを提供することで、新規顧客の獲得を容易にし、その顧客が追加の保護を契約してくれるようになるのです。


サイバーセキュリティ・ベンチャーズは、2025年のサイバー犯罪とハッキングのコストを10.5兆ドルと予測していますが、これは、企業レベルのコンピュータシステムのユーザーは、予測可能な将来においても、これまでとあまり変わらない行動をとるだろうという考えに基づいています。しかし、コロニアル・パイプライン社や食肉業者のJBSのハッキング事件の後、デジタルの脅威が再び現実のものとなり、対応が強化されつつあります。

テクノロジー市場調査会社のガートナーこの対応に数字を付けています。それによると、10.5兆ドルの統計の一部になるリスクを回避するために、世界は今年1,504億ドルを費やすことになり、昨年のサイバーセキュリティへの支出額から12.4%増加することになります。

しかし、ハッキングやランサムウェアによる攻撃は、その数だけでなく範囲も拡大し続けていることを考えると、今年の12.4%という増加率は今後さらに大きくなることが予想されます。

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