マイクロソフト 成長は続くとアナリストが弱気な見方を否定

マイクロソフト(MSFT)の今後について、市場が弱気過ぎる見方をしているのではないかとモルガン・スタンレーのアナリストが指摘しています。

マイクロソフトは、ソフトウェアポートフォリオ全体の需要が急増したことにより、ここ数四半期で目覚ましい業績回復を遂げています。同社のクラウドへの移行は、パブリッククラウド「Azure」事業と、クラウドベースの「Office」やその他のアプリケーションソフトウェアの両方で著しい成長をもたらしました。

3月期のマイクロソフトの売上高は19%増加し、約3年ぶりの急成長を遂げました。しかし、モルガン・スタンレーのアナリストであるキース・ワイス氏は、6月7日に発表したリサーチノートのなかで、投資家たちがマイクロソフトの最高の業績はもはや過去のものになったのではないかと懸念していると、述べています。

ワイス氏は、主に3つの問題があると述べています。1つは、規模が拡大している同社の成長率の持続性についての懸念。市場では、2022年6月期の売上高を1860億ドル以上と予想しています。

2つ目は、同社がマージンをさらに拡大できるかどうかに疑問があること。そして3つ目は、利益の成長が鈍化した場合、投資家は現在の利益倍率が維持できないのではないかと懸念していることだとしています。

同氏はこれらの懸念を否定し、株価のオーバーウェイト評価と300ドルの目標株価を維持することを明らかにしています。

成長に関する懸念についてワイス氏は、マイクロソフトは過去3暦年で510億ドルの売上を上げ、14%の複合成長率を達成していると指摘。この成長率で2023年まで成長を続け、740億ドルの売上が追加されると予測しています。

また、マイクロソフトのCEOであるサティア・ナデラ氏は、世界の国内総生産(GDP)に占める情報技術の割合が5%から10%へと倍増し、市場機会が4兆ドル拡大すると予測していることにも言及しました。ワイス氏は、AzureとOffice 365のさらなる拡大、サーバーソフトウェアの緩やかな成長、そしてゲームからの売上の増加を見込んでいます。

また、同氏は、Azure事業の利益率の向上と「継続的で規律ある経費管理」によって、売上総利益率と営業利益率の両方が向上すると見ています。2023年度の売上総利益率は約2%ポイント拡大して70.7%、営業利益率は約2.8%ポイント拡大して43.7%になると予想しています。

マイクロソフトのバリュエーションについては、同社の株価収益率は今後12ヵ月間の推定業績の約30倍で、2017年初めの19.9倍から上昇しているものの、最近のピークである35倍からは低下していると指摘しました。ソフトウェア株は一般的に価格対利益成長率が1.9倍で取引されているのに対し、マイクロソフトはそれを大きく下回る1.4倍であることも指摘しています。

市場は利益成長の鈍化を織り込んでいるように見えるが、この見方は保守的すぎると同氏は考えています。「ベアはEPSの成長が鈍化することで倍率に圧力がかかることを懸念しているが、我々は現在の倍率が将来のEPSの成長を適切に反映していないと主張している」と書いています。

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