半導体のマーベル 予想を上回る決算を発表

半導体メーカーのマーベル・テクノロジー(MRVL)が会計年度第1四半期の決算を発表しました。
業績がアナリストの予想を上回ったほか、第2四半期についても強気の見通しを発表し、同社の重要な市場のすべてにおいて強い需要が続いていると投資家に伝える内容となっています。

マーベル・テクノロジーは、データストレージ、ネットワーク、および通信向けの集積回路(IC)の設計を手掛ける。これまで、ストレージ分野に重点を置き事業を展開しており、依然としてハードディスクドライブ(HDD)メーカーやソリッドステートドライブ(SSD)メーカーにとっては主要なサプライヤーであるが、HDD技術力の低下を相殺するために買収を通じてネットワーク分野に注力し、事業の多角化を進め現在はネットワークや家電市場にもチップを供給している。製品の製造は、外部のファウンドリーに委託している。

出所:マネックス証券銘柄スカウター

インフラストラクチャー半導体メーカーである同社の第1四半期の売上高は、前年同期比20%増の8億3,230万ドルでした。純損失は8,824万ドル(1株当たり13セント)で、前年同期の純損失1億1,303万ドル(1株当たり17セント)からは損失額が少なくなっています。株式ベースの報酬や無形資産の償却費などを調整した結果、1株当たり29セントの利益となりました。

アナリストは、売上高8億540万ドルに対し、調整後の1株当たり利益を27セントと予想していました。

5月1日に終了した第1四半期において、同社は、光ネットワーク機器メーカーであるインフィの100億ドル規模の買収を完了しました。この買収は、第1四半期の締め日の約10日前に完了しましたが、マーベルは、前回のガイダンスでは買収の影響が含まれていなかったことを理由に、インフィの貢献による増加を除いた8億1,050万ドルの売上を開示しました。インフィを除いた場合、マーベルの第1四半期の収益は1株当たり29セントとなっています。

マーベル社の最高経営責任者であるマット・マーフィー氏は、「インフィの買収は、マーベルにとって売上高で最大の最終市場であるデータセンターでの成長機会を増やし、加速させるものだ」とし「マーベルの第2四半期の力強い収益成長の見通しは、当社のすべての主要な最終市場における旺盛な需要を反映している」と述べています。

マーベル社は、約10億7000万ドルの売上に対して、調整後の第2四半期の利益を1株当たり約31セントと予想しています。アナリストらは、9億1,780万ドルの売上に対して30セントの調整後利益を予想していました。

経営陣は月曜日の電話会議で、自動車からビデオゲーム機まで幅広い消費財の製造に支障をきたしているチップ不足について言及しました。マーフィー氏は、売上を伸ばし続けるために十分なチップを確保しているが、需要が同社の能力を上回っている状態が続いていると述べています。

ただ、同氏は、「当社の成長計画をサポートするために、今年後半から来年にかけて供給改善の目途が立っていると考えている」と付け加えています。

マーベルは、半導体業界に統合の波が押し寄せる中、昨年末にインフィを買収する意向を発表しました。当時、マーフィー氏は、同社の長期的な展望には規模が不可欠であり、この分野ではますます必要になっていると述べていました。同氏は当時、インフィをマーベルに統合する予定であり、インフィを子会社として扱う予定はないとも語っています。

マーベルの株価は決算発表を受け、6月7日の時間外取引で4.23%増の50.31ドルで取引されています。

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