エヌビディア なぜ5%も上がった?

エヌビディア(NVDA)が5月28日のマーケットで急騰しました。終値は649.78ドル。前日比で4.9%も上がり、一時は史上最高値である651.06ドルを記録しました。

エヌビディアは2日前に第1四半期決算を発表し、市場予想を大幅に上回る業績を披露していました。それにもかかわらず、5月27日の市場では1.4%下落。材料出尽くしによる利益確定の売りに押されたと見られます。

そんなムードが一転、28日に急上昇に転じたのは、相次ぐアナリストの高評価の内容を投資家が咀嚼して買いに転じたからだと思われます。

例えば、バンク・オブ・アメリカのアナリストであるビベック・アーリア氏は、株価予想を700ドルから750ドルに引き上げ、エヌビディアの株式に対する「買い」評価を改めて表明しました。同氏は、少なくとも2025年までは、エヌビディアの売上と利益がそれぞれ20%と25%成長すると考えています。

エヌビディアは、4,000億ドル規模の企業としては驚異的なレベルの成長を遂げています。クラウドコンピューティングやビデオゲーム市場からの旺盛な需要に牽引されて、エヌビディアの売上と収益は今後も驚異的なペースで成長していくでしょう。したがって、5月28日の上昇は、エヌビディアの株価のはるかに大きな長期的な動きの始まりに過ぎないかもしれません。

おさらいの意味を込めて、会計年度第1四半期の業績の注目点をご紹介します。

売上が84%急増

売上は、前年同期比で84%、前四半期比で13%増加し、過去最高の56億6,000万ドルに達しました。アナリストは、平均して54億1,000万ドルと予想していました。

1株当たりの利益が2倍以上増加

当四半期の1株当たり利益は、前年同期の1.47ドルから3.03ドルへと2倍以上に増加しました。また、前四半期比でも31%の増加となりました。

非GAAP基準(調整後)では、1株当たり利益は前年同期の1.80ドルから3.66ドルへと、103%増加しました。

ゲーミング収入が2倍以上増加

ゲーム分野の売上は、当四半期の最大の原動力のひとつであり、前年同期比で2倍以上の27億6,000万ドルに達しました。

第1四半期の業績報告会において、経営陣は、ゲーミングが 「どの程度かは判断できないが、暗号マイニング需要の恩恵を受けている 」と考えていると述べています。需要が旺盛なため、同社は下半期に向けて一部のゲーム用在庫が供給不足になると予想しています。

データセンターの売上が初めて20億ドルを突破

データセンター分野の売上は、前年同期比79%増、前四半期比8%増の20億5,000万ドルとなりました。

「世界の産業界がコンピュータビジョン、会話型AI、自然言語理解、レコメンダーシステムの処理にエヌビディアのAIを採用する中で、当社のデータセンター事業は拡大を続けている」とフアンCEOは述べています。

ビック・ガイダンス

エヌビディアは、その急速な成長が第2四半期も続くと予想しています。経営陣は、売上高が前四半期比11%増の約63億ドルになるとガイダンスしました。アナリストは、平均して第2四半期の売上高を55億ドルと予想していました。

最新情報をチェックしよう!