レモネード 急騰の理由はショートスクイーズ?

レモネード(LMND)の株価が5月26日の市場で急騰。終値は前日比10.7%増の84.2ドルとなっています。

なぜ、大きく株価が上がったのか?特定できる個別の理由はないようです。強いていえば、成長株を主体に上昇したこの日のマーケットの流れを受けてといったところでしょうか。

最も可能性が大きいと思われるのは、空売り筋のポジションを損切らせようと買い上げる「ショートスクイーズ」が行われたと推定されることです。

いわゆる「Reddit銘柄」の中で、特に空売りが多い銘柄が今日は高騰していることもこの推定を裏付けています。

ゲームストップ (GME)+15.82%、AMC エンターテインメント( AMC)+19.2%と、最新の情報では浮動株の20%強が空売りされているという両銘柄の株価もこの日暴騰しています。

レモネードは最近、何度も空売りの対象となっており、株価は乱高下を繰り返しています。空売りされている株の割合は22%で、ゲームストップやAMCよりも空売りの比率が高く、ショートスクイーズが行われた可能性は高いと見られます。


ショートスクイーズとは?


ショートスクイーズとは、多くの投資家が空売りしてその銘柄の価格が下がることに賭けていた銘柄の価格が急上昇することです。

例えば、ある投資家が、A社の株式が現在の株価100ドルでは過大評価されていると考えたとすると、その投資家は他人のA社の株式を借りて、すぐに別の買い手に100ドルで売ることができます。

もちろん、自分が持っていないものを何の影響もなく売ることはできません。期限が来たら、投資家は貸し手に株を返せるように市場で株を買わなければなりません。

仮に、投資家の言う通り、株価が70ドルまで下落したとすると、投資家は30ドルの利益を得ることになります。借りた株を100ドルで売り、70ドルで買い戻し、株を返却して差額をポケットに入れたのです。

もし、A社の株が値上がりした場合、空売りは非常に大きな損失を被るリスクがあります。

空売りは、株価が0ドルになった時点で上限となる値下がりとは異なり、値上がり幅は理論的に無限にあります。

ですから、株価が急激に上昇した場合、空売りをしている人は、できるだけ早くポジションを解消しようと躍起になります。空売りをしている投資家が大量に集まり、一斉にポジションを解消しようとすると、ショートスクイーズが発生します。株を買いたいという需要が急増することで、株価はさらに上昇します。

例えば、A社が予想以上の好決算を発表し、株価が120ドルまで上昇した場合、パニックになった空売り筋は、株価が上昇し続ける前にポジションを解消しようと急ぐかもしれません。そうすると、空売りをしていた人たちは、株価の上昇が止まらないうちにポジションを解消しようとします。空売りをしていた人たちは、この急激な価格上昇によって「スクイーズ」されてしまうのです。

ショートスクイーズを起こす火種は、多くの投資家がショートポジションを持っている銘柄です。多くのネット証券や株式情報サイトでは、上場企業ごとに空売り株数と発行済株式総数の情報を提供しており、そこで見つけることができます。

空売りの割合は、空売り株数を発行済み株式総数で割って100をかけて算出します。会社の規模や発行済み株式数も関係しますが、空売りされている株数が25%から30%を超える会社は、ショートスクイーズの有力な候補になる可能性があります。

しかし、技術的な理由により、1つの株が複数回空売りされることがあるため、数字に惑わされることがあります。そのため、空売りの比率が高くなってしまうのです。

一般的に、大量に空売りされている銘柄は、理由があって大量に空売りされています。多くの投資家が株価の下降に賭けたのは、正当な理由があるからです。大幅に空売りされている銘柄にポジションを持つことは慎重に、少なくとも、その会社のことを勉強して、一部の人がその会社に賭けることを選んだ理由を評価できることが必要です。

たとえ最良のシナリオであっても、ショートスクイーズは一瞬の出来事であり、長期的な戦略ではありません。そのために、空売り比率の高い企業を買うのは、投機的な行為であり長く続くものではありません。空売りが多い銘柄がすべてスクイーズになるわけではないのです。

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