ロク 現在最も優れたストリーミング銘柄(続編)

なぜロク(ROKU)が現在最も優れたストリーミング銘柄なのか、昨日に続いて書きます。

ストリーミングビデオのプラットフォームであるロクの第1四半期の決算報告は素晴らしい内容で、売上成長力の強さが再び注目を集めました。ユーザー数の増加という指標も、投資家を興奮させるのに大きな役割を果たしました。しかし、ロクの利益率の拡大についてはほとんど話題になっていません。

ロクはその長期的な歩みの中で、エキサイティングな局面を迎えています。かつてないほどの普及率を達成しているだけでなく、粗利益率も静かに上昇しているのです。

第1四半期、ロクは5億7,420万ドルの売上を上げました。これは、前年同期比で79%という驚異的な伸びを示しただけでなく、事前の経営陣の予想値の上限を16%も上回るものでした。

第2四半期の見込みについて、経営陣は、売上高を6億1,000万ドルから6億2,000万ドルと予想しています。これまたアナリスト予想の5億5,000万ドルをはるかに上回る数字でした。

なぜこれほど予想をはるかに上回る売上をあげることができるのか、その理由は二つあります。

第一に、同社が驚異的なペースで新規アカウントを獲得していることです。2018年のアクティブアカウント数はわずか2,700万でした。それからわずか2年余りで、約2倍の5,360万のアクティブアカウントを獲得しています。そして、今も年率35%で成長しており、このペースが続けば、今から3年も経たないうちに、さらに2倍になることになります。

2つ目は、ロクがアクティブアカウントからこれまで以上に多くの収益を上げていることです。これは、ARPU(ユーザー1人あたりの平均売上金額)と呼ばれる指標で確認できます。第1四半期のARPUは32.14ドルで、前年同期比で32%増加しました。ロクが2017年に上場して以来、ARPUは四半期ごとに増加しています。

なぜARPUが増加しているのか?ひとつの要因として、広告費が従来のメディアからコネクテッドTV(CTV)に移行していることが挙げられます。ロクはCTVで最大級のキャプティブ・オーディエンスを抱えており、その広告プラットフォームはブランドに測定可能な良いリターンを提供しています。そのため、ロクの広告枠は非常に需要があります。そして、より多くの広告主がこの枠を争うことで、ロクの収益性が向上します。

ロクの売上総利益率は4四半期連続で拡大しており、直近の第1四半期では56.9%と過去最高を記録しました。

同社には2つの事業セグメントがあります。プレーヤー事業はストリーミング機器の販売で売上を上げていますが、利益率は低い事業です。一方、プラットフォーム事業では、広告の表示など利益率の高い売上を上げています。

2020年の第1四半期では、プラットフォームセグメントの売上高は全体の72.5%でしたが、今年の第1四半期では、その売上高に占める比率は全体の81%を超えています。

プラットフォームセグメントの売上が事業の大きな部分を占める状態が続くことで、全体の粗利益率が高くなっているのです。

また、プラットフォームセグメント自体の粗利益率も向上しています。昨年の同セグメントの粗利益率は56.2%でしたが、今年は66.9%と大幅に改善しています。

ロクは、グローバルなビジネスチャンスを拡大して獲得しようとしているため、経費が増え続けています。経営陣は意図的に多額の支出をしており、その結果、利益を出せない構造となっています。それでも、最近の2四半期では、売上が予想以上に伸びたため、予想外の純利益を計上することができました。

経営陣は次の四半期には1,000万ドルから2,000万ドル程度の純利益を見込んでいますが、売上が急速に増加していることから生まれた、言わばアクシデントのようなものと捉えた方が良さそうです。採算を度外視して成長を優先する経営姿勢は当面続くものと見られます。

それでも、売上が驚異的なペースで成長しているとともに、利益率も大きく拡大していることは事実。この強力な組み合わせは、投資家を何年も満足させることができるでしょう。このことからもロクは現在最も優れたストリーミング銘柄と言うことができるのです。

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