ソフトウェア企業の決算プレビュー

大手企業の第1四半期の決算発表が終わって決算シーズンが終わったかのような雰囲気が漂っていますが、決算発表の第1部が終わったようなもので、まだまだ発表は続きます。

ここ数週間の好調な業績発表は、投資家には概ね無視されています。アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)などのハイテク大手企業は、素晴らしい四半期を記録しましたが、株価にはほとんど反応がありませんでした。これが、決算シーズン第2部を前にした市場の環境です。

みずほ証券のソフトウェアアナリストであるグレッグ・モスコウィッツ氏は、5月13日に、セールスフォース・ドットコム(CRM)、スノーフレーク(SNOW)、オクタ(OKTA)、パロアルトネットワークス(PANW)、スプランク(SPLK)などのソフトウェア企業の決算をプレビューするリサーチノートを発表しました。

「最近の調査によると、ソフトウェアのほとんどの分野で需要の動向は引き続き非常に良好であり、デジタルトランスフォーメーションやセキュリティプロジェクトが牽引役となっている」と同氏は書いています。

しかし、その一方で、「ここ数週間、ソフトウェアの株価の倍率にはさらなる圧力がかかっており、現在の投資環境はより厳しいものとなっている」との現状認識も示しています。

同氏は、特に高成長企業を中心に、「最近の倍率の低下を反映して」グループ内のいくつかの銘柄の目標株価を引き下げました。

しかし、今後の成長が期待でき、妥当な価格で取引されている優良企業に対しては、依然として強気であると述べており、その銘柄として、クラウドストライク(CWRD)、パロアルトネットワークス(PANW)、オートデスク( ADSK)の名前をあげています。

同氏は、企業向けソフトウェアの銘柄は、今後12ヶ月間の予想売上高の9倍という中央値で取引されていると指摘しています。これは、5年前のピーク時の水準を20〜25%下回っていますが、5年前の平均水準を30%上回っています。1ヶ月前には、ピーク時の水準からわずか10%しか下がっていなかったそうです。

今後数週間のうちに発表される主要なソフトウェア関連銘柄に対するモスコウィッツ氏の見解は以下のとおりです。

クラウドストライク(CWRD)

「大型案件の動きは引き続き改善されている」とし、「買い」と評価。引き続きトップピックの一つとしていますが、目標株価を従来の270ドルから250ドルに引き下げました。

パロアルトネットワークス(PANW)

チャンネルチェックはポジティブであるとし、「買い」の評価と株価の目標値475ドルを維持しています。パロアルトもトップピックの一つです。

セールスフォース・ドットコム(CRM)

需要がさらに改善していることが確認されたとして、「買い」の評価を継続しましたが、目標株価を290ドルから280ドルに引き下げています。

ジースケイラー(ZS)

「同社がその機会に成長するにつれて、意味のあるアップサイドが見られる」として、買いの評価を維持しましたが、目標株価を217ドルから205ドルに引き下げています。

スノーフレーク(SNOW)

「好調な消費レベルが継続していることを示唆しており、良好な状態が続いている。スノーフレークは、顧客が大規模なデータストアからデータ駆動型の組織へと変革することを可能にしており、企業がスノーフレークを標準にするという強力なトレンドの初期段階にあると確信している」としていますが、最近需要が縮小しており、同社のようなプレミアム価格帯のベンダーが参入する余地が少なくっているとも述べています。「買い」の評価を維持しましたが、目標株価を350ドルから300ドルに引き下げています。

オクタ(OKTA)

「オクタのファンダメンタルズには引き続き強気であるが、最近クローズしたAuth0の買収を含めた強力な実行力を示す証拠が欲しい」と述べ、「ホールド」の評価と255ドルのターゲットを維持しています。

オートデスク( ADSK)

「第4四半期の産業・経済データはよりポジティブな傾向にあり、オートデスクは比較的慎重な世間の予測に対してアップサイドを示すと予想している」と述べています。「買い」の評価を維持しましたが、目標株価を340ドルから325ドルに引き下げています。

モンゴDB(MDB)

「我々のチェックは全体的にポジティブであり、保守的なガイダンスの影響もあって、大幅な収益のアップサイドを見込んでいる」と述べているものの、目標株価を320ドルから265ドルに引き下げています。

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