ロク 現在最も優れたストリーミング銘柄

このところグロース株が試練にさらされています。多くの銘柄が華々しかった昨年のパフォーマンスとは打って変わって株価の大幅ダウンを強いられています。

そんな中、数少ない堅調な動きを見せている銘柄がストリーミングビデオのプラットフォーム企業であるロク(ROKU)です。

ストリーミング・エンターテイメント・セクターは、コロナウイルスの大流行の間、優れた業績をあげました。人々がこれまで以上に家で過ごすようになった、巣ごもり需要の高まりで利益をあげたからです。

しかし、予防接種を受けた人々の数が着実に増加して、経済や余暇活動が徐々に再開されつつあり、投資家はストリーミングビジネスにとっては逆風となることを懸念しています。

そんな状況のなかで、ひとり流れに逆らって好調に見えるのがロクです。第1四半期の素晴らしい業績は、成長の加速を示しています。

第1四半期におけるロクの業績は、まさに桁外れでした。

売上高は前年同期比で79%増となり、プラットフォームの売上高は2倍以上になりました。第1四半期の売上高に占めるプラットフォーム部門の割合は、前年同期の約73%から81%に上昇しています。

売上総利益率は66.9%となり、前年同期比で10ポイント以上上昇し、今後の成長が期待されます。

その結果、調整後のEBITDA(利払い、税金、減価償却費および償却費控除前利益)率は過去数四半期にわたって急速に上昇し、現在21.9%となっています。

第1四半期において、ロクの5,360万のアクティブアカウントは、プラットフォームを通じて合計183億時間のコンテンツを視聴しました。

また、同社の重要な指標であるARPU(ユーザー1人当たりの平均収入)は、32%の増加となりました。より多くのユーザーがプラットフォームに参加することで、サービスへの関心も高まっています。

次の四半期も、この勢いが弱まることはないと思われます。経営陣は、この3ヵ月間も堅調に推移すると予測しています。第2四半期の売上高は73%、売上総利益は104%の増加を見込んでいます。

しかし、同社は、2021年下半期の業績は、前年同期比での比較が厳しいという理由だけで、印象が薄くなると考えています。昨年の第3四半期および第4四半期は、パンデミックの影響で広告費が減少した後、デジタルチャネルに広告費がシフトしたことにより、優れた業績を達成したからです。また、複数のストリーミングサービスを開始したことで、2020年末に好調な利益を得たという出来事もありました。

経済環境が予測不能な形で動いているため、2020年のようないびつな年が生まれたりしていますが、ストリーミングはホームエンターテインメント市場で成長を続けており、その中で長年にわたって利益を得る有利な立場をロクは固めつつあります。

ネットフリックスは、ロクの競合相手ではなく、コンテンツパートナーですが、昨年の記録的な成長の後、第1四半期に急激な減速を経験しました。それはいわゆる先食い効果の影響。2020年に多くの新規加入者を獲得し過ぎたため、その反動がやってきました。

そして、減速のもうひとつの大きな要因が、Disney+、HBO Max、Peacock TV、Paramount+、Discovery+などの新しいストリーミング・オプションの出現でした。

ネットフリックスが減速した一方で、ロクのビジネスが好調なのは、コンテンツ中心の同業他社と比べてロクが優位に立っているからです。

ロクは基本的にストリーミングのエコシステムを運営しているため、どのコンテンツメーカーが成功しようと失敗しようと関係ありません。

人々が従来の有料ケーブルテレビのコードを切り、代わりにコンテンツをストリーミングする限り、同社は利益を得ることができるのです。

ロクのプラットフォームは、エンターテインメントのストリーミング化のちょうど真ん中に位置しているため、有利な立場にあります。

コンテンツサービスが増えれば増えるほど、ロクの企業価値は高まり、業績が向上していきます。

現在、最も優れたストリーミング銘柄と言えるのがロクです。

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