アマゾン プライム会員が2億人を突破

ジェフ・ベゾスのCEOとして株主に送付した最後の書簡が報道されましたが、注目されたのが書簡の中でアマゾン・プライムの会員数が全世界で2億人を超えたと述べていることです。

プライム会員数の開示は、2020年1月以来行われていませんので、書簡でベゾスCEOが言っていることとは関係なく、この数字が大きく報じられました。2021年1月の時点と比べると約5,000万人の増加。1億人から1億5,000万人になるまでにアマゾンが要した期間は約21ヶ月でしたから、前回の発表からベゾスCEOの書簡まで15ヶ月の期間で2億人を突破したことはコロナ禍でアマゾン・プライムの普及が加速したことを示すものだと受け止められています。

コロナ禍で頓挫してしまいましたが、アマゾンは以前からプライム会員のためにデリバリー改善に努めていました。ワクチンの接種が進み、社会の環境が以前の状態に復するとともに、再びその改善に取り組むことが予想されます。

米国で取り組んでいるのが、商品を1日で顧客に届けること。シンシナティにエアハブを開設する予定で、このハブにより、倉庫の容量をより効率的に利用できるようになります。エアハブと、国内の空港近くに設置された仕分けセンターを組み合わせることで、アマゾンは大量の在庫を迅速に移動させることができます。これにより、カリフォルニア州の顧客は、ジョージア州の倉庫にある商品を1日で手に入れることができます。

アマゾンの物流への投資は、米国内だけのものではありません。物流会社のMWPVL社のデータによると、同社は世界の他の地域でもフルフィルメントネットワークの面積を28%拡大する計画を持っています。

物流ネットワークの構築を続けることは、アマゾンのキャッシュフローを圧迫します。しかし、それによってより効率的な配送が可能になれば、プライム会員数が持続的に増加し、長期的には元が取れるはずです。

プライム会員を増やすために有効なのはデリバリーだけではありません。ストリーミングも大きな役割を果たすものとして重視されています。

「Prime Video」の視聴者数は2020年に1億5000万人に達しました。アマゾンの10-Kファイリングによると、2020年のビデオとコンテンツの費用は110億ドルで、2019年の78億ドルから増加しています。

この数字はネットフリックスの2020年の償却済みコンテンツ費用を上回っています。この支出の増加は、コロナ禍で、プライム・ビデオをストリーミングする人が多くなったことを意味すると考えられます。

注目されるのは、アメリカン・フットボールの中継「Thursday Night Football」の配信を開始したことです。2023年から年間10億ドルを投じて、Thursday Night Footballの試合を独占的に放送する権利を獲得したと報じられています。これは、何百万人ものファンが秋の木曜夜の試合を毎週見ることを意味し、重要なホリデーショッピングシーズンに向けてプライム会員の契約を維持するのに大いに役立つものと見られています。

ビデオのストリーミングや、マーケットプレイスでの迅速なデリバリーにより、消費者がプライムを毎日の習慣にすることにアマゾンは成功しています。会員数が2億人を超え、普及が加速しているアマゾン・プライムの特典の充実のために今後ますます積極的に投資していくことが予想されます。

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