モトリーフールは4月1日に「FREE! Our April Fool’s Portfolio to Navigate This Market and Beyond」と題した記事を掲載。不透明な市場を乗り切るのを支援することを目的とした 「エイプリルフール・ポートフォリオ」を作って読者に公開する企画を開始することを発表しました。
モトリーフール社が実際に5万ドルを投資してポートフォリオを構築、運用するというもので、「このポートフォリオをモトリーフールの資本でバックアップすることで、私たちがどのようにアロケーションに取り組み、株式と上場投資信託(ETF)のバランスを取り、今後5年間で収益を上げることができると信じるポートフォリオを構築しているかを明確にします」と宣言しています。
同社のプレミアム投資チームが選んだトップレベルの推奨銘柄で構成したポートフォリオを世界中の投資家に無料で提供するということでとても楽しみにしていたんですが、本日(4月9日)その第1弾として5つの銘柄を組み入れることが発表されました。「First 5 Recommendations for our April Fool’s Portfolio!」
エイプリルフール・ポートフォリオでは、分散化を図りながらも、モトリーフールの最も有望なアイデアが重要な役割を果たすようにしているとのこと。最低でも15銘柄を保有することが、投資を成功させるための重要な要素であると考え、それを実践していくそうです。そして、ETFを加えることで、今後5年間で収益を上げる可能性の高い、分散された愚直なポートフォリオを構築することができるとしています。
アロケーションプラン
今後数週間にわたり、15銘柄の株式と5つのETFを推奨し、今後5年間で収益を上げる可能性のある分散型ポートフォリオを構築する。
株式(15銘柄):ポートフォリオの75%(各銘柄5%ずつ)
ETF (5): ポートフォリオの20% (各ETFに4%)
現金:5%の現金を保有
高成長株主体となる構成のため、保守的な投資家は現金や債券などの安全資産をポートフォリオのどこかに追加して保有して自分なりのアレンジを加えることが推奨されています。
また、ボラティリティが高い株式とのバランスをとるためと、将来の投資のための追加資金を確保するために、ポートフォリオに少なくとも5%のキャッシュポジションを持つ前提となっています。
第1回推奨ETF
バンガード・トータル・ストック・マーケット ETF(VTI)
ポートフォリオのウエイト 4%
このETFは米国内の株式市場に幅広いエクスポージャーを提供するブロードマーケット上場ファンドです。主に大型株に焦点を当てていますが、中小型株も含まれています。このファンドは、米国内株式の資産クラスを幅広くカバーしていることから、エイプリルフール・ポートフォリオのアンカーとなることが期待されています。
このETFの経費率はわずか0.03%であり、幅広い株式市場へのエクスポージャーを得るための低コストのツールです。このファンドは、他の推奨ETFと同様に、本ポートフォリオの個別銘柄を補完する役割を果たすように設計されています。
バンガード・トータル・インターナショナル・ストック・マーケットETF(VXUS)
ポートフォリオのウエイト 4%
このETFは、国際的な投資のためのワンストップ・ショップを提供します。このファンドは、大型の先進国市場に重きを置いていますが、新興国市場にもエクスポージャーを提供しており、ETFの約4分の1の銘柄が該当します。
VXUSは0.08%というリーズナブルな価格設定。少しでも海外企業への直接的なエクスポージャーを持つことが狙いでこのファンドは、幅広いレベルでその役割を見事に果たしていることが選定の理由にあげられています。
第1回推奨株式
アマゾン(AMZN)
ポートフォリオのウエイト 5%
アマゾンは、創業者ジェフ・ベゾスのリーダー交代が予定されているにもかかわらず、モトリーフールのアナリストチームが常に高い確信を持って推奨できる銘柄だそうです。
時価総額1兆7,000億ドルの巨大企業であるものの、同社は主導権を握っている事業(Eコマースショッピング、Amazon Web Servicesなど)や、より大きなシェアを占めている事業(現在第3位と言われているオンライン広告市場など)を含め、事業全体で軽快かつ革新的な姿勢を維持していると評価。
1株あたり約3,300ドルと高額ですが、その株価や時価総額に怯えてはいけないとし、ベゾスがAWSの有能な現CEOであるアンディ・ジャシーに経営権を譲ったとしても、アマゾンにはまだまだお金を稼ぐチャンスがあると信じているとしています。
エッツィ(ETSY)
ポートフォリオのウエイト 5%
2020年、エッツィのプラットフォームで販売された売上と商品総額は2倍以上になり、当初は2023年に目標としていたレベルに達しました。実際、同社の成長率は、2020年のEコマース全体の成長率の2.5倍でした。
エッツィのプラットフォーム上で販売されている商品は現在8,500万点を超えており、同社はこれらの売上から少しずつ利益を得ています。
より多くの購入者を囲い込むという素晴らしい仕事をしており、年に6回以上購入する顧客の数は、2020年にはなんと157%も増加しています。
コロナの蔓延を撃退するために手作りのマスクを購入する人が急増したことが2020年の成長を後押ししましたが、その影響は年を追うごとに小さくなっています(2020年の初期には商品売上の11%だったが、現在はわずか4%)。
揺るぎないバランスシート、高い利益率、資本に対するリターンの増加により、エッツィは2020年以降もずっと勝者であると考えられるそうです。
ピンタレスト(PINS)
ポートフォリオのウエイト 5%
月間アクティブユーザー数が約4億6,000万人(昨年加入の1億人を含む)のピンタレストは、ソーシャルメディアの中でも最大級のプラットフォームであり、ユーザーに「インスピレーションから現実へ」というポジティブな雰囲気を提供しています。現在、ユーザーが自分の好きなコンテンツを保存し、収集する場所である「ボード」の数は、1年前に比べて50%増加しています。
同社の人工知能と新しい広告ツールによって、広告クライアントがより効率的に広告費を使えるようになったためビジネスは成長していますが、まだ足場を固めたばかりだと評価されています。
第4四半期のユーザー1人当たりの平均収入は29%増加しましたが、フェイスブックなど他のソーシャルメディア広告プラットフォームには及ばない状況とのこと。
そのため、改善と拡大の余地は十分にあり、特に同社がより直接的なショッピング手段を強化していく中で、その余地は大きいと言えるとしています。
グーグルを辞めて同社を立ち上げたCEO兼共同創業者のベン・シルバーマンが30億ドル以上の株式を保有していることも好感が持てるそうです(共同創業者のPaul Sciarraも同様)。
この株には間違いなく浮き沈みがあるものの(おそらく平均的な株よりも)、ピンタレストのプラットフォーム、積極性、市場機会、ビジネスモデルの改善は、ポートフォリオにピンしておいて損はないとして選んだそうです。