前回の決算報告が行われた2月18日から20%下落と低調が目立っているロク(ROKU)に買い推奨が相次いで出ています。
ドイツ銀行のアナリスト、ジェフリー・ランド氏は4月8日、ロクのレーティングを「買い」とし目標株価を500ドルに設定しました。
ストリーミングへの移行が急速に進んでいることから、ロクの株価の最近の下落は良い買い時だと考えているとのこと。
「ロク 人気の住宅リフォーム番組の権利獲得で急騰」で書きましたような新しいコンテンツ契約を結んでいることやニールセンとの提携など、最近の動きは、広告収入や視聴者数の増加につながるものと評価しています。
他にも強気の評価が出ており、今週初めには、エバスコア ISIが、同株をアウトパフォーム、目標株価400ドルでカバレッジを開始。先週は、Truistが、最近の価格下落を理由に、「買い」に引き上げています。
コムキャスト社のNBCなどのネットワークが、人気番組を自社のストリーミング・プラットフォーム用に独占し始めたため、人々は無料コンテンツと購読チャンネルをストリーミングするロク・チャンネルの将来を懸念しています。
独自コンテンツの獲得に躍起になっているものの、コストがかかりすぎ、競争が激しすぎるため、ロクがネットフリックスやアマゾンのプライムのような独自サービスの開発に乗り出すことはないだろうとドイツ銀行のランド氏は述べています。
ロクがニールセンの広告事業を買収したことも、成長戦略のひとつと考えられます。ロクには5,100万人以上の加入者がおり、同社のプラットフォームを使ってテレビのライブ配信やNetflixなどの定額制サービスを利用しています。
ニールセンの買収により、昔ながらの方法でテレビを見ている人々、番組が予定されている曜日と時間に、オリジナルのチャンネルで視聴するという、現在では「リニア」テレビと呼ばれている方法で視聴している人からも利益を得ることができるようになります。
ストリーミングとリニアテレビ、この両方の広告市場で果たす役割をロクは今後拡大して行くとランド氏は見ています。
ロクの株価は今週に入って急上昇しており、4月8日の終値は前週比+12.2%の372.68ドルでした。それでも2月につけた高値からは20%低い水準にあります。