アナリストの買い推奨を受けたオースター(OUST)が4月7日に高騰、一時前日比で+30%まで株価が上がりました。終値で+25.73%の9.87ドルとなっています。
オースターは、機械、車両、ロボット、および固定インフラ資産に3Dビジョンを提供する高解像度デジタルライダーセンサーを提供する会社。カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置いています。
シティグループのアナリストであるイテイ・ミカエリ氏は4月7日、ライダー企業である同社のカバレッジを開始し、「買い」のレーティングと17ドルの株価目標を設定しました。
ライダー(Lidar)は、レーザーベースのレーダーの略。この技術を使用したセンサーは、夜間や霧の中など、レーダーや光学カメラでは見えないような走行環境下でも見ることができます。
ほとんどの自動車メーカーが、自動運転車の開発にライダーセンサーを使用しています。また、ウェイモ社の「One」に代表されるように、現在運行されているロボットタクシーにもライダーセンサーが搭載されています。センサーからのデータはソフトウェアに送られ、車の制御に役立てられています。
ミカエリ氏はライダー銘柄を評価する基準として3つをあげています。最も重要なのが、自動車市場全体の中でライダーという装置がどの程度使われているか。あと個々のライダー企業には、従来の自動車市場以外での販売機会や、しっかりとしたソフトウェアのオプションを持っているかを見るとしています。
同氏はライダーの可能性について楽観的です。テスラ(TSLA)が完全な自動運転技術の開発に取り組んでいることや、アップル(AAPL)が自動車を提供する可能性を指摘し、業界の変化のペースを加速させていると述べています。両社の動きは、他の自動車会社の技術革新を加速させ、ライダーの導入を後押しすると評価しています。
オースターには数百社の自動車以外の顧客がおり、その技術アーキテクチャは 「ユニークで、業界でリスペクトされている 」とミカエリ氏は評価(ライダー企業が使用するレーザー光の波長は会社によって異なり、どのように光を照射するかも各社の差別化ポイント)。同氏の求める3つの基準を満たす銘柄として、買いを推奨し、現在の株価の倍近くの目標価格を設定しています。
オースターをカバーするアナリストはこれが二人目。最初のアナリストであるクレイグハルムのアナリスト、リチャード・シャノン氏は、同社株を「買い」と評価し、目標値を25ドルとしています。
純然たるライダー企業のほとんどは新しい企業であるため、ウォールストリートのアナリストがカバーする会社はまだ少ないのが現状です。
ルミナー・テクノロジーズ (LAZR)は、ライダーの新興企業の中で最も価値があるとされる企業で、6つの評価があり、4つが「買い」、2つが「ホールド」となっています。
そのほかでは、ベロダイン・ライダー(VLDR)が7つの評価で、「買い」が5件、「ホールド」が2件。エイバ・テクノロジーズ(AEVA)は5つの評価で、すべて「買い」となっています。Innoviz (INVZ)は今週、特別目的買収会社との合併により上場しましたが、まだ評価はありません。
ライダー企業の評価は全体で約20件あり、80%に当たる16件が「買い」となっています。ダウに含まれる銘柄の平均的な「買い」比率は約60%であり、ライダー企業が高く評価されていることがわかります。