ARK宇宙ETFが3月30日より運用開始

  • 2021年3月30日
  • 2021年10月5日
  • BS余話

ARK(アーク・インベストメント・マネジメント)の新しいETF(上場投資信託)が本日(3月30日)より運用開始となります。

ARKの新しいETFであるこのファンド、ARK Space Exploration & Innovation ETF(ARKX)は、「地球の外で発生する技術的に有効な製品やサービスをリードし、またはそこから利益を得ている企業に投資する」ファンドと定義されており、宇宙探査と技術革新に関連する4つの分野(軌道航空宇宙、サブオービタル航空宇宙、実現技術、航空宇宙受益者)の約40銘柄に投資を行います(経費率0.75%)。

保有株の上位10社はこちらのページで見ることができます(全銘柄はこちらのPDF)。

8.61%のウェイトを占めてトップの保有株であるトリンブル・ナビゲーション(TRMB)は、地理空間技術、レーザー技術、光学技術などの分野に特化した企業。約6%で2位にはARKの別のファンドであるTHE 3D Printing ETF(PRNT)が入っています。クラトス・ディフェンス・アンド・セキュリティー・ソリューションズ(KTOS)やL3ハリス・テクノロジーズ(LHX)などの防衛・航空宇宙関連企業、そして日本の建設機械大手、コマツ(6301)も6位で組み込まれています。

このほか、マゾン・ドット・コム(AMZN)、グーグルの親会社アルファベット(GOOG)、ネットフリックス(NFLX)、中国の電子商取引大手JD.com(JD)といった、一見宇宙開発とは無縁に思われる銘柄もこのETFには組み込まれています。

ARKXはARKにとって8本目のETFとなり、新しいETFが生まれたのは2年ぶりとなりますが、過去6ヵ月間に、少なくとも6社の宇宙関連企業がSPAC(特別買収目的会社)との合併によって誕生している時期に運用を開始するとあって宇宙株ブームの到来かと注目を集めています。

ARK社が1月13日にスペースファンドを申請したというニュースは、宇宙関連銘柄のラリーを引き起こしました。商業用宇宙船を手がけるヴァージン・ギャラクティック(SPCE)や宇宙通信を手がけるマクサー・テクノロジーズ(MAXR)の株価は、翌日には20%近く上昇しています(ARKXにはヴァージン・ギャラクティック社は約2%のウェイトで組み込まれていますが、マクサー・テクノロジーズは保有していません)。

ARKが宇宙開発ビジネスに参入することは、同じく宇宙に投資する他のETFへの強い関心を呼び、そちらへの資金流入も増えています。プロキュア・スペースETF(UFO)は、ARKがスペースETFを申請して以来、資産額が3倍以上(4,400万ドルから1億3,200万ドル)になったほか、SPDR S&P Kensho Final Frontiers ETF (ROKT)は、その資産が1,300万ドルから2,400万ドルに増加しています。

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