インテルが23日、西部アリゾナ州に200億ドルを投じて半導体の新工場を建設すると発表したことで、半導体製造装置業界が活況を呈しています。「米インテル、半導体生産で大規模投資へ-製造装置関連株が急伸」
投資銀行ベレンバーグのアナリスト、Tammy Qiu氏は3月24日、2021年の半導体産業における世界の資本支出の予想を引き上げたことを明らかにしました。同行ではこれまで同産業の設備投資額が2020年の水準から10%台半ばの水準で上昇すると見ていましたが、上昇の値を18%に改めています。
ベレンバーグがインテルの決定で恩恵を受けると見ているのが、インテル、TSMC、サムスン電子に製品を供給しているオランダのASMLホールディング(ASML)。チップ製造プロセスに不可欠なリソグラフィシステムをほぼ独占しています。
アムステルダムのユーロネクストとナスダックの二重上場企業であるASMLは、極紫外線(EUV)リソグラフィのパイオニア。同社は次世代技術として期待されているEUVにその力を注いでいます。
Qiu氏は、インテルは将来的に製造プロセスにEUVを採用することに積極的になると予想。これに呼応して、TSMCもEUVを使うロードマップを積極的に進めていくと見ています。
インテルとTSMCが競争を続け、最先端の技術に積極的に投資していることから、ベレンバーグは、その好影響が今後数年間にわたって半導体製造装置業界に及ぶだろうとも予測しています。欧州では、ASML、ASMインターナショナル、ベシ。米国では、アプライド・マテリアルズ、ラム・リサーチ、KLAコーポレーションといった会社が恩恵を受ける会社として名前が上がっています。
パンデミックが終息しても、半導体不足は続くと見られており、インテルはチップ不足は少なくとも2年間は続くと予測しています。