米国住宅市場のディスラプター? オープンドア

  • 2021年3月20日
  • 2021年3月20日
  • BS余話

オープンドア・テクノロジーズOPEN

オープンドア・テクノロジーズは、住宅不動産のためのデジタルプラットフォームを運営している。顧客はプラットフォームを通じてオンライン上で住宅の売買ができる。収益は、住宅の販売およびその他の不動産関連サービスの提供によって生み出される。


出所:マネックス証券銘柄スカウター

オープンドア・テクノロジーズは、アメリカ人の住宅売買のあり方を変えるとの使命感をもって設立された会社です。「iBuyer」市場のパイオニアであり、従来の不動産ブローカーを介さずに、企業が自らの勘定で住宅を購入し、それを販売することを目指しています。ジロー・グループ(Z)やレドフィン(RDFN)などもiBuyer事業を展開していますが、このアイデアに最も純粋に賭けているのが同社です。

チャマス・パリハピティヤ氏が設立した特別目的買収会社(SPAC)との合併により、12月21日に上場しました。9月中旬の合併合意の発表後に株価は上昇し一時約2倍になりましたが、合併完了後はやや下落しています。

3月18日、木曜日、シティグループのアナリスト、ニコラス・ジョーンズ氏は、オープンドアに「買い」の評価と34ドルの目標株価をつけてカバレッジを開始しました。

ジョーンズ氏は、調査報告書の中で、同社が「バラバラでストレスの多い従来の取引プロセスに対して、より確実でコントロールしやすいソリューションを提供することで、米国最大の資産市場である住宅販売の規範を破壊している」と書いています。

また、住宅の販売者と購入者の双方がこのモデルに魅力を感じるだろうとし、チャンスは非常に大きく、早い段階で複数のプレーヤーが参入する余地があると考えているとも述べています。

同氏はジロー・グループやレドフィンを直接の競合相手とは見ておらず、むしろ彼らの成功が、消費者が iBuying を実行可能なチャネルと考えるきっかけになると考えており、オープンドアは、2023年までに米国の住宅用不動産市場の0.7%を占めるようになると予想しています。

このビジネスは単純明快だそうです。オープンドアからの入札が受理されると、オープンドアは住宅をそのまま購入し、不動産業者の平均的な手数料と同程度の手数料(6%~10%)を請求します。売り手に提供される利便性がそれに相当すると考えるからです。

その後、オープンドアは必要な修理を行い、独自のプラットフォームで住宅を再出品します。買い手は、同社のアプリやウェブサイトを使って、セルフツアーやバーチャルツアーで家を見学。融資の手続きを行い、オファーを提出し、自分のスケジュールに合わせて取引を終えることができます。

ジョーンズ氏によれば、2019年にオープンドアは約19,000軒の住宅を販売し、47億ドルの売上を上げ、21の市場で全取引の約1.7%を占めたそうです。2021年の売上を40億ドル、2022年には74億ドルに成長すると予測しています。

同氏は、30年後のオープンドアが米国の住宅用不動産市場の20%を占め、長期的な調整後のEBITDA(利払い前、税引き前、減価償却前の利益)の利益率目標を4~6%にするというシナリオを描いています。彼の計算によれば、売上高は3,300億ドル、調整後のEBITDAは165億ドルになると見込まれます。

目論見通り行くと時価総額は途方もなく膨れ上がるんでしょうが、30年後かあ(^^;)。

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