自動運転車への投資はテスラよりこの株

今月下旬に決算発表を控える画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)。今の売上の主力は、ゲーム、データセンター、暗号資産(仮想通貨)向けなどですが、中長期的に見た場合、今後中心となって来そうなのが自動運転システム向けです。

エヌビディアは2019年12月17日に自動運転車両向けの新型ソフトウェアデファインドプラットフォーム、「NVIDIA DRIVE AGX Orin」 を発表しました。

このプラットフォームは、「Orin」 と呼ばれる新しいシステムオンチップ(SoC)をベースにしています。Orinは、4年間の研究開発投資の成果で、170億個のトランジスタを集積。毎秒200兆回の演算ができるチップです。

このシステムはレベル2から完全自動運転のレベル5まで、拡張可能なアーキテクチャの互換性があるプラットフォームを実現するために開発されています。これにより、自動車メーカーや関連企業は大規模で複雑なソフトウェア群を開発できることになります。

世界で最も先進的な自動運転車プラットフォームといわれるこのシステム。車の最も効率的なルートを計画することから、ディープラーニングシステムで車のセンサーデータを分析することまで、全てを行います。

特に注目されているのが、既存の車(必要なカメラ、センサー、その他の機器があれば)に接続することができ、機能するということ。新しい車を買わなくても自動運転が可能ということです。

エヌビディアの創設者でありCEOのジェンスン・フアン氏は次のように語っています。

自動運転車を実現するために必要な投資額は指数関数的に増大しており、この課題の複雑さには、Orinのようなスケーラブルでプログラム可能なソフトウェア定義のAIプラットフォームが必要だ。

人工知能は、誰かが何を言っているのか、あるいは身振り手振りの意味を含めて、人間のポーズを認識するところまで進んでいる……例えば建設作業員が指示を出しているようなものだ

あまり知られてはいませんが、自動運転技術に関わる「事実上すべての企業」が何らかの形でエヌビディアと関係しているそうです。

ナヴィガント・リサーチは、トヨタ、ボルボ、メルセデス・ベンツ、アウディ、VW、ZF、コンチネンタル、ケンワース、ピータービルトなどの名前をあげ、370社以上の会社がエヌビディアとパートナー関係にあるとしています。

エヌビディアは自動運転を現実のものにしようとしています。
自動運転シャトルのスタートアップであるOptimus Ride(完全自律走行車を開発している MIT のスピンオフ企業でエヌビディアも出資)は、ブルックリンで公共交通機関で初めての自動運転パイロット・プログラムを開始しています。

既に多くの分野で成功を収めているエヌビディアですが、自動車という広大な市場で圧倒的な地位を占めるべく着々と地歩を固めています。莫大な利益をもたらすであろう自動運転車関連分野に投資するならば、まず一番に考えなければならない会社ではないでしょうか。

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