2月4日のマーケットが閉まったあとに決算を発表したペロトン(PTON)の株価が急落しています。決算期待で4日は157ドルまで上げたのですが、その上げた分をいっきょに吐き出してさらに下落、前日比8%減(0:59PM EST現在)となっています。
ペロトン・インタラクティブは米国のフィットネスサービス企業。
ペロトン・インタラクティブは、オンラインでコネクテッド・フィットネスを展開している。事業は、コネクテッド・フィットネス製品、サブスクリプション、その他の3つの部門を通じて運営されている。コネクテッド・フィットネス製品部門の収益源は、会員が自宅でトレーニングをするのに使うエクササイズ・バイク、ジョギング用トレッド、関連アクセサリーの販売、製品の納入・設置料、および製品保証期間の延長による追加料である。サブスクリプション部門の収益源は、コネクテッド・フィットネス会員とデジタル会員が支払う毎月の会費である。その他部門は、ペロトン・ブランドのアパレルの販売によって収益を得ている。コネクテッド・フィットネス製品部門が売上高の大半を占めている。
出所:マネックス証券 銘柄スカウター
フィットネスクラブやスポーツジムが深刻な打撃を受ける一方で、コロナ禍を追い風に業績を伸ばしている企業として昨年脚光を浴びました。
コロナの流行以前から愛好者はいて、オバマ元大統領の夫人、ミシェル氏がホワイトハウスで使っていたことが知られていますし、最近ではバイデン大統領が愛用していることでもニュースになりました。
この1年、株価は急騰しており、18ドル弱だった株価が最高値171ドルまで上がっています。
4日に発表された第2四半期(昨年10月〜12月)決算の内容は良好でした。
売上は予想されていた10.04億ドルに対して、10.06億ドルと初めて10億ドルを突破。1株当たり利益は8セントの予想に対して、18セントでした。
純利益は6360万ドルと、前年同期の5540万ドルの赤字から黒字に転じています。
第2四半期末の加入者数は167万人で、前年同期末比134%増。今年6月末までには加入者数が227万人に達し、通期の売上高が40億8000万ドル前後になると予測しています。
ここ数ヶ月ペロトンの購入者を苛立たせて不満の声が高まっていたのが、エクササイズ・バイクの入手難。この問題に対し
「西海岸の港湾施設での遅れと新型コロナウイルス絡みの要因で、納入時間をコロナ禍以前の水準に戻すのが難しい状況が続いている」と説明。状況改善に向け今後半年で1億ドル余りを航空・海上配送に投じる方針を示し、「そうした投資で短期的な収益性が低下する」との見通しを決算書で発表しました。
これが引き金となって、その後の株価は大きく下落しました。
これを受けてレイモンド・ジェイムズ社は、リスク対報酬は「現在はあまり好ましくない」とし、アウトパフォームからマーケット・パフォーマンスへの格下げを発表、目標価格を135ドルに据え置いています。
ただ、将来的な見通しについては否定的ではなく、予想される収益の勢いと、新たなフィットネス市場を開拓したという事実を考えると、「長期的にはファンダメンタルズに肯定的」であるともしています。
他にも複数のアナリストが目標株価を引き上げましたが、逆に格上げしたアナリストもいます。
Truistのアナリストは、予想価格を145ドルから160ドルに引き上げ、「買い」のレーティングを付けました。
ニーダムは、ペロトンが納入問題のレッスンを学んでいるように見えると述べ、航空便での配送にすることで問題はなくなるとして、目標価格を40ドルから180ドルに引き上げ、買い推奨を維持しています。
ペロトンのエクササイズ・バイクは1700ドルもするのですが、日本でも事業を展開していたら、自分も入りたいなと思っています(どこに置くかの問題は悩ましいですが)。
コロナ禍が終息したらジムに戻る人もいて、会員数に影響が出るのかもしれませんが、ネットを通じてトレーナーの指導を受けて自宅でできるという楽さを経験したら、元には戻れない人もまた多いんではないでしょうか。
長期的に見れば、ここは買い場かもしれません。ちなみに私は1月の初めに少し買って、今回の下落でマイナスに沈んでいます(^^;)