アマゾンの決算発表とCEOの交代に対し18人のアナリストが反応していますが、CEOの交代を格下げの理由としたアナリストはひとりもいないようです。
Morgan Stanley
モルガン・スタンレーのアナリスト、ブライアン・ノヴァック氏は、アマゾンをオーバーウェイト(買いに相当)と評価、目標株価を3,900ドルから4,200ドルに引き上げました。
同氏は、一部の投資家がCEOの交代を懸念しているかもしれないと指摘する一方で、安心できる複数の理由を提示。「ベゾス氏は完全に手を引いているわけではなく、今後も重要な戦略的な議論や意思決定に関与していくだろう」としています。
また、アマゾンが「Sチーム」と呼んでいる26人のメンバーが、同社の様々な部分を運営していることを指摘し、ベンチの層は厚いと主張しています。
そのメンバーには、CEOとなるジャシー氏、CFOのブライアン・オルサフスキー氏、そして最近引退したJeff Wilke氏から小売事業を引き継いだデイブ・クラーク氏が含まれているそうです。
「アンディ・ジャシー氏は、20年以上にわたって同社に在籍し、AWSを構築してきており、アマゾンの文化と実行基準を理解している。」というのが新CEOの評価です。
Needham
ニーダムのローラ・マーティン氏は、「買い」の評価を維持し、株価の目標を3,700ドルとしています。新しい体制は株主にとってプラスになるとし「ジャシー氏はベゾスよりも大きなリスクのある賭けに出る可能性は低い上に、ベゾス氏が取締役会にいることが何かあった時のセーフティネットになる」と述べています。。
Wells Fargo
ウェルズ・ファーゴのアナリスト、ブライアン・フィッツジェラルド氏は、オーバーウェイト評価と4,100ドルの目標価格を維持。「ベゾス氏の継続的な関与と、AWSでのジャシー氏の並外れた実績を考えれば、経営陣の交代には違和感がない」としています。
JMP Securities
JMP証券のアナリスト、ロナルド・ジョジー氏は、マーケット・アウトパフォームの評価。目標価格を4,075ドルから4,350ドルに引き上げています。
今回の交代は予想された流れであり、ジャシー氏が在任中に会社の方向性を大きく変えることはないとしています。
Pivotal Research
ピボタル・リサーチでは、アナリストのMichael Levine氏が「買い」の評価を維持。目標株価を4,500ドルから4,650ドルに引き上げています。
同氏は、ベゾス氏が重要な決定に継続的に関与していることと、ジャシー氏の評判が高いことを改めて強調しています。
「ベゾス氏ほど一般の人には馴染みがないが、ジャシー氏は投資家の間で非常に高い評価を得ている」と述べています。
MKM Partners
MKM パートナーズのアナリスト、Rohit Kulkarni氏は「買い」の評価を繰り返し、目標値を3,750ドルから3,975ドルに引き上げています。
交代の影響について、「長期的な視点に立った投資家は、ここで一服した方がいいかもしれない」と警戒感を示しています。
また、「ジャシー氏の後任がAWSを率い、べゾス氏がいないという新しい状態に市場が慣れるまでは、アマゾン株はプレッシャーを受け続けるだろう」としています。