揺れが続くウォール街対素人集団の戦い。29日の市場ではゲームストップ(GME)が一時、前日の2倍以上になる場面がありました。終値は68%高の325ドル。売買代金は150億ドル強とアップルなど主力IT株に匹敵する規模でした。
バロンズの記事など読むとヘッジファンドのマネジャーは右往左往で、どうしたらいいのか分からない状態の人も多いとか。
今、空売りで勝負するのは「ブルドーザーの前でニッケルを拾うようなものだ」とショート銘柄を避ける動きも報じられています。
オランダ人が株式市場を初めて設立したのが1602年。始まってまもなく空売りが行われるようになったそうですが、当時から不人気な取引だったとか。
過去にも空売りに対抗する動きはあったそうです。1990年代にはショートバスターズクラブの名の下に空売り業者をターゲットにしていた集団がありましたが、ペニーストック・ブローカーが組織した小規模なグループだったとのこと。その後のドットコム・バブルでも活動したようです。
ただ、今回のゲームストップ株をめぐる問題は過去とは一線を画すもの。「売買無料化とSNSと言う武器を手に入れた」個人投資家が、空売りヘッジファンドと互角に勝負できるようになったことは、ゲームが変わったことを示しています
株価の暴落に対処するためにサーキットブレーカー制度が設けられていますが、今回のような暴騰に関しては同じような制度はありません。なんらかの新しいルールが必要であるとの声も高まっています。
28日の取引規制は個人投資家に一方的に負担を強いるもので、不当だったとの意見も強まる一方。話の展開次第では今の空売りを得意とするヘッジファンドの一部が一掃される事態も考えられます。
「たとえそうなっても、新しいヘッジファンドが登場して空席を埋めるだけだ」というベテラントレーダー。うーん、面白くないけど、確かにそうなんでしょうね。