ここのところ150ドルを切るなど元気のなかったレモネード(LMND)ですが、アナリストの推奨を受けて1月22日は上昇、前日比+3.6%の153.49ドルで22日の市場を終えています。
1月21日に推奨を行ったのは、パイパー・サンドラーのアナリスト、アルヴィンド・ラムナーニ氏。以前からレモネードをカバーしている同氏はオーバーウェイト(買い)の評価を維持すると発表しました。目標価格をそれまでの105ドルから163ドルに上げています。
同氏は今後について次のように予測しています。
LMNDはデジタルファーストのアプローチ、イノベーションへの投資、既存市場での成長、追加製品への拡大により、今後も規模を拡大していく。
LMND の AI/オートメーション駆動型ビジネスは成長を加速させ、現在の高値を正当化する。
2020年7月に上場したLMND。この半年の株価の動きをS&P 500と比較すると以下のようになります。ずっとS&Pの成績を下回っていたのですが、昨年12月以降逆転。半年で2倍近く上がっています。
ただ、アナリストの評価は厳しく、上述した買い推奨などはあまりありません。Yahoo! finance に掲載されている1月22日現在のアナリストの推奨トレンド、推奨レーティング、目標価格は以下のとおりです。
今後について
現在レモネードが扱っているのは、賃貸住宅、住宅所有者、およびペット保険だけです。ただまもなく生命保険に参入することを表明しています。保険代理店などを通して行う現在の煩雑で手間のかかる契約手続きに多くの米国人がうんざりしていると言われます。
そんな市場に、ほぼ瞬時に合理的な価格で定期生命保険を購入することができる会社が参入するインパクトの大きさを想像してみてください。8000億ドルと言われる市場のゲームチェンジャーにレモネードはなるかもしれません。
さらに経営陣は自動車保険への参入の可能性もほのめかしています。国際的にも事業を拡大しており、すでに進出しているドイツ、オランダに加え、2020年の第4四半期にフランスで事業を開始したばかりです。
同社の顧客のほとんどは保険を契約するのは初めてで、3分の2以上が35歳未満です。レモネードは、さまざまな保険を通じてこれらの顧客と生涯にわたって付き合うことができる顧客基盤を構築しつつあります。
現在の株価は過大評価であるとの指摘は当たっているでしょう。同社は利益を上げておらず、12ヶ月間の売上高の91倍という価格で評価されています。将来の成長の可能性のかなりの部分を織り込んだ株価であり、何かの結果や情報で乱高下しやすい不安定な状態が当面は続くと予想されます。