ギグエコノミーの旗手 ファイバー

Beikoku-stock ポートフォリオの一角、ファイバー・インターナショナル(NYSE: FVRR)のご紹介です。

ギグエコノミーの隆盛

ギグは音楽用語でライブハウスなどに居合わせた演奏家らの軽い合奏を指します。そこから転じて単発で短期の仕事に従事する人を「ギグワーカー」、そうした働き方を前提に成り立つビジネスや市場を「ギグエコノミー(経済)」と呼ぶようになりました。

出所:日経新聞 2020年6月22日「ニッキィの大疑問」

コロナワクチンの登場によりコロナ禍もやがては沈静化すると期待されています。しかし、コロナ禍がもたらした変化の流れは変わりそうもありません。

レイオフとリモートワークの進展に直面して、何万人ものアメリカ人が2020年のパンデミックの間に自営業に転向しました。

米国では自営業がブームとなっており、米国国勢調査局のデータによると、2020年の第2週から最終週までに8500万件近くの新規事業申請が行われました。これらの新規事業の多くは個人事業主によるものであり、ブームは今後も続くと見られます。

こうした個人事業主がギグワーカーとして単発で短期の仕事をインターネットで探すとき、頼りにしているのがファイバーです。

ファイバーの会社概要

ファイバー・インターナショナルはイスラエルのクラウドソーシングサービス企業。フリーランサーのためのオンライン・マーケットプレイスを運営。同社のプラットフォームでは、グラフィック、デザイン、デジタルマーケティング、翻訳、動画・アニメ制作、音楽制作、ナレーション、プログラミング、ビジネスや生活関連などのサービスを5ドルより提供する。本社所在地はテルアビブ。

出所:Yahoo! Japan ファイナンス

ファイバーがスタートしたのは10年前。IT業界のギグワーカーが5ドルを手っ取り早く稼ぐ方法として始まりました。現在では数百種類の仕事をカバーするまでに成長し、オンライン・ギグマーケットのプラットフォームとよべる存在です。

直近の売上推移

出所:Yahoo! finance

四半期ごとの売上は右肩上がりですが、ずっと赤字が続いています。

EPS(1株あたり利益)推移

出所:Yahoo! finance

白丸がアナリストが見込んだEPS(1株あたり利益)。緑の丸が実績EPSです。ずっとアナリスト予想を上回っており、収益性がどんどん良くなっていることがわかります。

足元の現状

2020年通期の売上高が2019年比で少なくとも74%増の1億8600万ドルになるとファイバーは予想しており、収益力も急速に上がっています。急速に変化する労働市場の恩恵を受けただけでなく、ヨーロッパにも進出、最近ブラジルとメキシコで現地語サイトを開設したことも好材料となっています。

今後の展望

ファイバーが提供するプラットフォームが活況を呈しているのはサービスを提供するギグワーカーが増えているからだけではありません。

仕事を発注する雇い主の側のニーズも急速に増えているからです。

COVID-19の大流行により、中小企業は最新のデジタル電子商取引機能なしでは生き残れない状況に追い込まれています。小売業にとって、オンライン化は生き残るために必要な方法であり、彼らはそれを行うための助けを必要としています。

しかし、そうした企業は財政的な苦境に直面しているため、高額なサービスに投資する余裕はありません。そんな企業にとって、ファイバー上でフリーランスの労働者から得られる価値あるサービスは非常に貴重であり、その需要は今後ますます増えることが予想されます。

ファイバーは獲得可能な最大市場規模を1000億ドルと見ています。しかも、これは海外市場は除いた数字。国際的なギグワークの需要を考えると、目の前に広がる市場は広大です。フリーランスの仕事を形容する用語 “ギグ “の商標を登録しているファイバーの将来はとてつもなく明るいと言えるでしょう。

この1年間の株価推移

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