AI相場は、エヌビディア(NVDA)など大手半導体株を中心とした第1段階から、次の成長企業を探す局面へ移りつつあります。
マーケットウォッチが2026年10月1日に掲載した記事では、ドイツ銀行が2026年第4四半期に注目するテクノロジー関連9銘柄を紹介しています。
選ばれた企業は、データセンター、光通信、半導体設計、半導体材料、AIエージェント、企業向けソフトウェアなど幅広い分野にまたがっています。
これまでAI投資といえばGPUや半導体メーカーが中心でした。しかし今後は、AIインフラの不足から利益を得る企業や、AIを実際の売上高や利益につなげる企業へ投資対象が広がる可能性があります。
デジタル・リアルティはデータセンター需要が追い風
まず注目されているのが、データセンターREITのデジタル・リアルティ(DLR)です。
アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)など大手テクノロジー企業は、AI向けデータセンターへの巨額投資を続けています。
AIデータセンターではGPUだけでなく、電力、土地、建物、ネットワーク設備なども不足し始めています。こうした環境では、大規模なデータセンターを保有する企業の重要性が高まります。
記事によると、デジタル・リアルティの将来の契約収入につながる受注残高は直近四半期に14億ドルに達しました。大規模なリース契約の増加が今後の成長を支えるとドイツ銀行はみています。
ルメンタムは光通信不足で価格決定力
AIデータセンターの拡大で恩恵を受けているのが、光通信部品を手掛けるルメンタム・ホールディングス(LITE)です。
大量のGPUやサーバーを接続するためには、高速な光通信技術が欠かせません。
AIデータセンター向けの需要が供給能力を上回るなか、ルメンタムの先端200Gレーザーは強い需要に支えられています。
ドイツ銀行は、先端製品の販売価格が従来世代より大幅に高くなっている点にも注目しています。
AIインフラのボトルネックが、同社のような部品メーカーに価格決定力を与えている点が重要です。
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ケイデンスとエンテグリスも半導体投資の恩恵
半導体関連では、ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)とエンテグリス(ENTG)が選ばれています。
ケイデンスは、半導体や電子システムの設計を支援するEDAソフトウェアを提供しています。
現在は従来の半導体メーカーだけでなく、大手テクノロジー企業なども独自半導体の開発を進めています。半導体設計が複雑になるほど、EDAソフトウェアの需要も高まりやすくなります。
一方、エンテグリスは半導体製造に必要な先端材料などを供給しています。
同社の売上高の約75%は半導体の生産量に関係しており、世界的な半導体工場の増設が成長材料になります。
ドイツ銀行は、半導体関連売上高が過去最高だった8億5,000万ドルを上回る可能性があるとみています。
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メタはAIを収益に変えられるか
今回の9銘柄の中でも注目したいのがメタ・プラットフォームズです。
ドイツ銀行は、同社のAIエージェント「ミューズ」の成長を評価しています。
AIサービスは利用者を増やすだけでは収益につながりません。今後重要になるのは、AIをどのように収益化するかです。
ミューズの利用が拡大すれば、有料サービスや取引手数料など直接的な収益機会が生まれる可能性があります。
さらにAIによって広告の効果や購入率が高まれば、メタの中核である広告事業にもプラスになります。
AI投資をコストではなく収益源に変えられるかが、今後の評価を左右しそうです。
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ショッピファイやサービスナウにも注目
ショッピファイ(SHOP)もAI収益化の有力候補です。
同社はAIアシスタント「Sidekick」を展開しています。AI機能によってサービスの価値が高まれば、将来的な料金引き上げなどを通じて収益拡大につながる可能性があります。
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また、サービスナウ(NOW)は企業のAI導入拡大から恩恵を受ける企業として選ばれています。
企業がAIエージェントを導入すると、AIを管理し、安全に運用する仕組みも必要になります。
サービスナウはIT業務管理に強みを持っており、AI導入が既存サービスのアップグレード需要につながる可能性があります。
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コンパスとシリウスXMも選出
今回の候補には、コンパス(COMP)やシリウスXM(SIRI)といった意外な企業も含まれています。
不動産仲介を手掛けるコンパスは、AIを活用して高価格帯の顧客にサービスを提供し、厳しい住宅市場でも収益性を高めようとしています。
コンパスについては、2026年第1四半期の売上高が前年同期比99%増となり、株価が大きく上昇した際にも取り上げています。
シリウスXMでは、YouTubeとのデジタル音声広告事業が成長材料として注目されています。
ドイツ銀行は、この広告提携が2026年から2028年までに約15億ドルの売上高を生み出す可能性があるとみています。
シリウスXMは、ドイツ銀行が投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた際にも株価が大きく上昇しました。
AI相場は半導体から周辺企業へ
今回のドイツ銀行の9銘柄を見ると、AI相場の裾野が大きく広がっていることが分かります。
データセンターのデジタル・リアルティ、光通信のルメンタム・ホールディングス、設計ソフトのケイデンス・デザイン・システムズ、半導体材料のエンテグリスなどは、AIインフラ投資の拡大から恩恵を受けます。
一方、メタ・プラットフォームズ、ショッピファイ、サービスナウなどは、AIそのものを収益化する企業として期待されています。
これからのAI相場では「AIに関連している」というだけでなく、AI需要の拡大によって実際に売上高や利益が増える企業を見極めることが重要になります。
エヌビディアを中心としたAI半導体相場から、データセンター、光通信、ソフトウェア、AIサービスへ資金が広がるのか。今回の9銘柄は、AI相場の次の展開を考えるうえで注目しておきたい企業です。
今回紹介された9銘柄
・デジタル・リアルティ(DLR)
・ルメンタム・ホールディングス(LITE)
・ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)
・エンテグリス(ENTG)
・メタ・プラットフォームズ(META)
・ショッピファイ(SHOP)
・コンパス(COMP)
・シリウスXM(SIRI)
・サービスナウ(NOW)
情報ソース: MarketWatch: “Meta, ServiceNow and these 7 other tech stocks could lead the next leg of the AI trade” (By Christine Ji, Oct. 1, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。