2025年11月末、米国市場に興味深い変化が訪れました。ここ数ヶ月、投資家から厳しい視線を浴びていたメタ・プラットフォームズ(META)とマイクロソフト(MSFT)が、突如として息を吹き返したのです。
マーケットウォッチの記事(2025年11月28日付)が報じた事実情報を基に、この動きが一過性のものなのか、それともトレンドの転換点なのかを分析します。
「売られすぎ」からの急激な巻き返し
まず注目すべきは、この2社の週間パフォーマンスの強さです。
- メタ・プラットフォームズ:+9%(2025年5月2日以来の最大上昇)
- マイクロソフト:+4.2%(同上)
この数字だけを見ると単なる「好調な一週間」に見えますが、背景にある文脈が重要です。実はこの2社、直近3ヶ月間は株価が低迷していました。メタはこの期間に13.7%下落し、マイクロソフトも3.5%下落していたのです。
この急激な反発は、市場が「行き過ぎた悲観論」の修正に入ったことを示唆しています。 これまで市場は、AI投資に対するリターンの不透明さを理由に両社を売り込んでいました。しかし、この一週間でS&P500種指数が3.7%、ナスダック総合指数が4.9%上昇するという「地合いの良さ」に加え、「12月のFRB利下げ期待」という強力なマクロ要因が追い風となり、割安感の出ていたこの2社に資金が還流したと考えられます。
特にメタに関しては、4週連続の下落トレンドを断ち切っての上昇であり、テクニカル的な「底打ち」のサインとも受け取れます。
「マグニフィセント・セブン」はもはや一枚岩ではない
今回の市場の動きで最も興味深い点は、巨大ハイテク株群「マグニフィセント・セブン」内でのパフォーマンスの乖離です。
- 勝ち組(週間):テスラ(TSLA)(+10%)、メタ・プラットフォームズ(+9%)
- 負け組(週間):エヌビディア(NVDA)(唯一のマイナス)
シティのアナリストが指摘しているように、マグニフィセント・セブンは「もはや一枚岩のグループとしての挙動を示していない」というのが現実です。
これは投資家にとって非常に重要なシグナルです。これまでは「M7(マグニフィセント・セブン)をまとめて買っておけば勝てる」という相場でしたが、これからは「銘柄選別」のフェーズに入ったと言えます。 AI半導体の王者であるエヌビディアがマイナスに沈む一方で、直近で売られていたテスラやメタが急騰した事実は、投資資金が特定の勝者から出遅れ銘柄へと循環する「セクター内ローテーション」が起きている証拠です。
メタの「クラウドを持たない」という弱点は克服できるか
ビジネスモデルの観点からも興味深い事実があります。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)とは異なり、メタはクラウド事業を持っていません。
しかし、今週BNPパリバのアナリストがメタのカバレッジを「強気(Bullish)」で開始しました。その根拠の一つとなり得るのが、同社独自のAI活用です。同社はAIを「広告主向けツール」や「ユーザーへのコンテンツ推奨」の改善に活用していると発表しています。
クラウド事業がないことは、一見するとAIインフラの収益化において不利に見えます。しかし、逆に言えばメタは「自社プラットフォーム(Facebook/Instagram)の強化」という、より直接的な利益創出にAIリソースを集中できるとも捉えられます。 BNPパリバの強気判断は、市場が「クラウド以外のAI収益化モデル(=広告精度の向上)」を再評価し始めた可能性を示唆しています。年初来パフォーマンスでメタ(+10.7%)がS&P500平均(+16.5%)を下回っている現状は、この再評価が進めば、アップサイドの余地がまだ残されていることを意味します。
結論:トレンドフォローより「逆張り」がワークする局面か
今回のデータが示すのは、ハイテク株投資において「直近の負け組」が見直されるターンが来たということです。
- FRBの利下げ期待による市場全体のリスクオン
- M7内での資金循環(エヌビディアから他銘柄へ)
- メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトのバリュエーション見直し
これらを総合すると、これまで敬遠されていた銘柄にこそ、年末に向けてのチャンスが潜んでいると考えられます。
情報源: Is Big Tech back? Meta’s and Microsoft’s stocks score largest weekly gains since May. By Emily Bary, MarketWatch, Published: Nov. 28, 2025.
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
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