メタ・プラットフォームズ(META)が人工知能(AI)組織の大幅な再編を計画していると報じられました。わずか半年で4度目の再編となり、同社のAI戦略が大きな転換期を迎えていることを示しています。報道は米メディア The Information によるものです。
新組織「Meta Superintelligence Labs」の構成
新たに設立されるAI組織「Meta Superintelligence Labs」は、以下の4つのグループに分かれる予定です。
- TBD Lab(仮称):最新の大規模言語モデル「Llama」の開発を担うチーム
- プロダクトチーム:Meta AIアシスタントなどの製品開発を担当
- インフラチーム:基盤技術を強化
- Fundamental AI Research(FAIR):長期的なAI研究を継続
TBD Labは特に注目されており、外部から招聘された複数のリーダーが率いる体制になるとされています。
外部人材の積極登用
メタはすでにグーグル、オープンAI、アンソロピックといった競合他社から研究者を積極的に採用しています。さらに、スケールAI元CEOのアレクサンダー・ワン氏やGitHub元CEOのナット・フリードマン氏を共同リーダーとして迎え、数十億ドル規模の投資を行うなど、体制強化に本腰を入れています。
TBD Labのリーダー陣には以下の人材が含まれると伝えられています。
- ジャック・レイ氏(グーグル出身):前処理学習を担当
- ルオミン・パン氏(アップル出身):インフラを担当
- ジアフイ・ユウ氏(オープンAI出身):マルチメディア対応を担当
- ホンユ・レン氏(オープンAI出身)、ペイ・サン氏(グーグル出身):ポストトレーニングを担当
繰り返される再編の背景
今回の動きは、2025年初頭から続く混乱の延長線上にあります。2月にはメッセンジャー部門トップだったロレダナ・クリサン氏を製品部門の責任者に据え、5月には生成AI部門を研究と製品に分割、6月にはワン氏とフリードマン氏の登用に伴い再編が行われました。今回で4度目となる再編は、メタのAI戦略における模索と挑戦の象徴とも言えます。
まとめ
メタはAI開発において巨額の投資と組織再編を繰り返し、競争力強化を急いでいます。特に大規模言語モデル「Llama」の進化は同社の中核戦略の一つであり、今後の動向が注目されます。
今回の再編が成果につながるのか、それともさらなる混乱を招くのか、市場関係者の視線は一層厳しくなっています。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ
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